不安空
一緒にいられるだけでいいなんて謙虚に思ってみても、やはり割り切れないものがある。
イヤな思いをするたびに、
私はこんなに謙虚なのにこの男は、
という静かな怒りが沸く。
そもそも謙虚だなんて恩着せがましくいってるあたりダメだ。全然謙虚じゃない。ただの我慢だ。
彼を好きだから、一緒にいたいから我慢してるだけ。
もちろん、彼と一緒にいると楽しいし、幸せを感じる。
けどそれは大きな不安のもとにあって。
なるべく見ないようにしてるけど、時々見上げてしまう。
今、視界いっぱいに雷雲が立ち込めてる感じ。
ただ、雷を落とすわけにはいかないのよ。